2025.01.07
整備・修理
バーキン7 エンジンから異音
車 種:バーキン7
症 状:エンジンから異音
岐阜県にお住いのS様にご購入いただきましたバーキンセブンの当店在庫時に行った修理です。エンジンを始動するとエンジン内部から異音が発生しました。
まずはエンジンオイルを抜いてオイルの状態を確認します。オイルを抜くと鉄粉まみれでした。メタルの損傷やピストンやシリンダーライナーにも損傷があることが考えられるため、エンジンを下ろしてフルオーバーホールをしていきます。
各ホース、配線などを外していきます。
キャブレターを外します。キャブもオーバーホールをします。
マフラーを外します。
エンジンを下ろしてオイルパンを外すと、鉄粉まみれでした。
クランクシャフトやカムシャフトを外します。
2番のコンロッドメタルが削れていました。
ピストン&コンロッドもブロックから外して清掃して確認します。
4番ピストンが削れていました。当然シリンダーライナーのダメージがあるので、エンジンブロックの修理ができる工場に依頼します。
現在のピストンはもう使えませんので、新品のピストン&コンロッドに交換します。
シリンダーヘッドを分解します。
分解の終わったシリンダーヘッドを洗浄剤入りのお湯につけて汚れを浮かせ、清掃していきます。
インレット、エキゾーストバルブも同じ洗浄剤入りのお湯につけてから清掃し磨きます。
タコ棒で全てのバルブのすり合わせをした後、ヘッドを組み上げてシリンダーヘッドの作業は完了です。
キャブレターのオーバーホールをしていきます。
ジェットの清掃と当たり面の摩耗を確認しながら分解していき、ガスケット類を交換します。
新品のオイルポンプとシリンダーヘッドをブロックに組付けて、車両にエンジンを載せ、補機類を取り付けていきます。
オイルやクーラントを注入した後、バルブクリアランスを調整します。オーバーホール後は、オイルポンプ内にエア咬みが発生して油圧が上がらないことがあるのので、オイルポンプ・オイルフィルター内にあらかじめエンジンオイルを入れて油圧が正常に発生するまでクランキングを行います。
正常に油圧が発生したらエンジンを始動させ、キャブレターと点火時期を調整します。KENTエンジンだけではありませんが、当時のエンジンに使用しているガスケット類は新品で組んでも水や油が漏れることが多々ありますので、確認と修正を行っていきます。500kmほど走行した後、オイルとフィルターを交換し、キャブや点火時期やバルブクリアランス調整を必要に応じて行います。
納車後に500km走っていただき、オイル交換を行いましたが、鉄粉など全く無ありません。お客様にも絶好調とのお声をいただきました。この度は誠にありがとうございました。