2023.11.14
整備・修理
アルファロメオ スパイダー 幌が閉まらない
今回は展示車アルファロメオ スパイダーの幌修理についてです。
内容としては、幌が途中で閉まらなくなるという症状です。
まずは実際に動かして確認します。最初の1回目は正常に動きました。2回目は幌が閉まるときに止まりました。
再度閉めようとスイッチを押しましたが、スイッチ横のLEDが点滅していて作動しませんでした。
運転席シートの後ろに手動操作スイッチがあり操作してみると一応幌を閉めることはできました。その後何度か作動させてみても幌が閉まる途中で止まりました。症状の確認ができたので故障個所の診断をしていきます。幌の開閉は油圧ダンパーによって作動しているのでまずは各ダンパーの点検をします。
運転席側の幌を開閉させているダンパーです。
助手席側の幌を開閉させているダンパーです。ダンパー本体からのオイル漏れ、油圧ホースの抜けや損傷の確認をします。問題無しです。
次は幌を車体に収めるために開閉するボディのダンパーの確認をします。こちらも、ダンパー本体のオイル漏れ、油圧ホースの抜けや損傷の確認をします。問題無しです。
次に各ダンパーを制御しているユニットの確認をします。こちらも、本体からのオイル漏れ、油圧ホースの抜けや損傷、ポンプの作動を確認します。こちらも特に問題無しでした。
次に幌のロックの開け閉めをしているモーターの作動確認をします。
正常に作動して幌が閉まった時のモーターの位置です。
幌が閉まる途中で止まってしまった時のモーターの位置です。少し判りにくいですが、正常に作動して閉まったときと比べると隙間があります。正常位置までモーターが戻らないということは、閉まったと判断しているスイッチに問題があるのではと予想をつけます。
スイッチはラッチの内部にあり、開いた時に押されるスイッチと、閉まった時に押されるスイッチの2か所があり、ラッチ本体も車両の左右にあります。1度幌を動かし閉まる途中で止まったところで、スイッチのあるラッチに振動を与えるとまた動くことが確認出来ました。このことから、スイッチの接触に問題ありと考えられます。ラッチの位置調整で解決できないかと思い、1度取り外してからまた取り付けをしました。ラッチを外す前に最初の位置がわかるようにマーカーで印をつけます。
ラッチの位置調整をしたので、ラッチストライカーも少しだけ調整します。こちらも最初の位置がわかるように印をつけます。ラッチとストライカーを調整したので幌の開閉を試してみます。結果、幌が途中で止まることなく正常に動くようになり、症状が改善したのでこれで作業完了となります。