2024.08.28
整備・修理
フェラーリ512TR タイミングベルト交換/エンジン調整etc..
愛知県の業者さんの依頼にてフェラーリ512TRの
タイミングベルト交換、水回り交換、エンジンオイル交換、タペット調整、エンジン調整です。
ご用命いただきありがとうございます。
リヤバンパーとマフラーを外してエンジンを下ろしていきます。
エンジンの下にミッションがある俗にいう「便器型ミッション」ですw
512trはテスタロッサの後継モデルです。
形はそっくりですが中身はというかシャシは全然違います。
ボディは材料がアルミになり、フレームも切り離しができなくなっています。
こちらはオイル交換の様子です。
512TRはエンジンミッション単体で降ろすことができますので比較的簡単です。
降ろしてからのスペースも少なく済みます。というわけで進めていきます。
フェラーリだけでなく、イタリア車全部に言えるのですがまともにタイミングがとられている車輛がとても少なく感じます。
中古車で購入時にサービスで変えられてある車輛は特に気を付けたほうがいいかもしれません。
イタリア車のタイミングベルト交換や、クラッチ交換はとても手間がかかるものであり熟練されたメカニックにしっかり作業されなくてはいけないものですが、かなりの手抜き作業がされています。
それは、ベルト交換時には必ずエンジンのタイミングを合わせなおす作業が必要なのですが勝手なアイマークを付けて交換されたりしています。
ベルトはゴムなのでゴムが伸びてタイミングがずれていくのでそこを交換時に修正するのですが同じ場所への組付けだと意味がありません。
今回はもちろんタイミングの合わせ直しと同時にバルブクリアランスも調整していきます。
そして最後ウォーターポンプとサーモスタットの交換です。
まずはエンジン下ろしから。
エンジンが降りたのでバルブクリアランスを測定します
そのまま。1番圧縮上死点を出して分解していきます。
ベルトの組付けの前にウォーターポンプをオーバーホールします
ブロックの中に組み込まれているので交換ではなくオーバーホールです。
すべて組付け終わったらバルブクリアランスの調整です。
ここまでの作業が本当の「フェラーリタイミングベルト交換」です。
まだ載せた後も調整があるんですけどね
すべて終わったので逆の手順でエンジンを載せます。
乗ってエンジンをかけた後は最後の仕上げでエンジンの左右のバランスを見ていきます。
これもやっているところはほぼないようです。やり方は企業秘密ですw
すべての交換と調整が完了後試運転です。
フェラーリ伝統のV12サウンドとレスポンスが復活してナイスな跳馬さんになりました♪